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2018.01.01

入門書

ポーランド入門書


◆ ポーランドを知る一冊

 

 

 『ポーランドを知るための60章』(渡辺克義編著、明石書店)は、ポーランドの歴史、文化、社会、政治、経済などを、それぞれ2-3ページの章でコンパクトに解説している。『中欧 ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー(読んで旅する世界の歴史と文化)』(沼野充義監修、新潮社)は、中欧の歴史、民族、地理、文学、演劇、音楽、映画から、料理、酒、祭りまでを、一流の執筆陣が紹介している。4カ国の共通点・類似点が比較できる上、カラー写真入りで読みやすい。『もっと知りたいポーランド』(宮島直機編、弘文堂)は、ポーランドの歴史、経済、音楽、文学をコンパクトに紹介している。『東欧を知る事典』(平凡社)も、ポーランドを広く理解する上で便利な一冊である。
 『ポーランド学を学ぶ人のために』(渡辺克義編著、世界思想社)は、ポーランドを勉強しようとする人の良き入門書。ポーランドの歴史を本格的に学びたい人には、『現代東欧史 多様性への回帰』(ジョゼフ・ロスチャイルド、共同通信社)、『ポーランド・ウクライナ・バルト史(世界各国史20)』(伊東孝之、井内敏夫、中井和夫編、山川出版社)が入門書として最適。『東欧の歴史』(H・ボグダン、中央公論社)、『近世ポーランド「共和国」の再建-四年議会と5月3日憲法への道-』(白木太一、彩流社)、『ポーランドの高校歴史教科書【現代史】』(アンジェイ・ガルリツキ、明石書店)、『ポーランド史』(S・キェニェーヴィチ、恒文社)もあわせて推薦したい。
 体制転換前後の政治・経済については、『ポーランドの九年 社会主義体制の崩壊とその後: 1986~1995』(高橋了、海文堂)、『欧州の大国ポーランド -高成長の秘密』(青山繁、大蔵省印刷局)が詳しい。  「連帯」運動に関心のある人には、『社会主義の20世紀(第3巻)』(伊東孝之他、日本放送出版協会)が「連帯」10年の軌跡を生き生きと描いており、入門書として読みやすい。『ワレサ自伝 希望への道』(L・ワレサ、社会思想社)、『ポーランドを生きる ヤルゼルスキ回想録』(W・ヤルゼルスキ、河出書房新社)、『ポーランド「連帯」 消えた革命』(水谷驍、柘植書房)も良書である。
 音楽関係では、『ショパンとピアノと作品と』(佐藤允彦、東京音楽社)、『ものがたりショパン・コンクール』(J・ヴァルドルフ、音楽之友社)などがある。『ポーランド音楽史』(田村進、雄山閣出版)、『音霊(おとだま)の詩人 ~わたしの心のショパン~』(遠藤郁子、藤原書店)、『ポーランド音楽の歴史』(ステファン・シレジンスキ、ルドヴィク・エルハルト編、音楽之友社)、『-決定版- ショパンの生涯』(B・スモレンスカ=ジェリンスカ、音楽之友社) も良書。
 文学関係では、『ポケットのなかの東欧文学 ルネッサンスから現代まで』(飯島周・小原雅俊編著、成文社)、『文学の贈物 東中欧文学アンソロジー』(小原雅俊編、未知谷)、『ポーランド文学の贈りもの』(関口時正他訳、恒文社)、が入門書として最適。『ポーランドの民話』(吉上昭三他訳、恒文社)は、ポーランド民族の肌触りを伝えている。また、『東ヨーロッパの文学』(恒文社)には6点のポーランド文学が収められている。本格的に勉強したい人には『ポーランド文学史』(チェスワフ・ミウォシュ、未知谷)がある。

 

◆ 観光ガイドブック

 定番は『地球の歩き方65 チェコ ポーランド スロバキア』(ダイヤモンド・ビック社)。『ハンガリー・チェコ ポーランド・ルーマニア ブルガリア・スロヴァキア』(JTBのポケットガイド)もポーランドも人気。つかだみちこ『ポーランドを歩く ショパンと田園の国』(YOU出版局)は、ポーランドをこよなく愛する執筆家による、都市、文化、自然を紹介した観光ガイドブック。『東欧の郷愁 コンプリート・ガイドブック』(菊間潤吾、新潮社)ではポーランドの主要都市が紹介されている。

 

◆ 文庫本

 旅行の際は、文庫本が手荷物の中にも入り便利である。『ワルシャワ貧乏物語』(工藤久代、文春文庫)、『ワルシャワ猫物語』(工藤久代、文春文庫)は、1960年代後半から1970年代前半にかけてポーランドに滞在した著者の、ポーランドの生活を見事に描写した心温まる作品。『天の涯まで(上・下)』(池田理代子、朝日文庫)は、ポーランドが列強により分割される18世紀末の時代を、独立運動の旗手、ユーゼフ・ポニャトフスキの生涯を通じて描く劇画。『ショパン』(遠山一行、新潮文庫)は、カラーの挿し絵が満載されており、ショパンの足跡を辿るよいガイドである。多くのユダヤ人をナチの手から救い出したドイツ人企業家を描く、『シンドラーのリスト』(T・キニーリー、新潮文庫)は、ポーランドが舞台。スピルバーグ監督によって映画化された大作で、飛行機の中でひたすら本を読みたい人向き。旅行のための会話集なら、地球の歩き方編集室『旅の会話集 15 ハンガリー・チェコ・ポーランド語/英語』(ダイヤモンド・ビッグ社)が便利。

 

◆ ポーランド語を学ぶ

  まず、『エクスプレス ポーランド語』(石井哲士朗、白水社)、『中・東欧のことばをはじめましょう ポーランド語 CD入り』(渡辺克義、朝日出版社)を推薦したい。インフィニシス社から発売されているCD-ROM版の『Talk Now! シリーズ』(初級向け)、『World Talk シリーズ』(中級向け)は、ゲーム感覚でポーランドを学ぶことが出来る。『ポーランド語の入門』(木村彰一・吉上昭三、白水社)も定評がある。会話集には『標準 ポーランド語会話』(H・リプシッツ・吉上昭三、白水社)、『ポーランド語会話練習帳』(小原雅俊編、大学書林)、『やさしいポーランド語の決まり文句』(M・カミンスキ、南雲堂フェニックス)、『旅の指さし会話帳58 ポーランド』(情報センター出版局)などがある。辞書は、『ポーランド語辞典』(木村彰一他編、白水社)が、約22000語を収めている。

 

◆ その他の書籍

 『善意の架け橋 ポーランド魂とやまと心』(兵藤長雄、文芸春秋)は、元ポーランド大使のエッセー。『「灰とダイヤモンド」の国 ポーランド』(稲村卓、文芸社)は、ワルシャワ大学客員教授としてポーランドに滞在する物理学者稲村卓氏のポーランドに対する愛情に溢れたエッセー。歴史、文化から日常生活まで、様々なポーランドの素顔に、著者独自の視点で迫る。『ポーランド未だ滅びず』(本間精一、東洋出版)は元ワルシャワ日本人学校校長のエッセー。そのほか、『キュリー夫人』(O・ヴォウチェク、恒文社)、『失われなかった一〇年 』(伊丹敬之・伊丹雄二郎、NTT出版)がおもしろい。『ポーランド人のまっかなホント』(エヴァ・リプニャツカ、マクミラン ランゲージハウス)は、ポーランド人のいろいろな面を教えてくれる。『アウシュヴィッツ博物館案内』(中谷剛、凱風社)はエッセーだけでなく資料面でも充実している。ポーランド映画ファンには『ポ-ランド映画史』(マレク・ハルトフ、凱風社)がお薦め。

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